東秩父村の川沿いの農家では、清流を利用し手漉き和紙を農閑期の副業として行い受け継いできました。この手漉き和紙は細川紙の名で知られ、特に江戸開府以来、障子紙や各種用紙類の需要増により、ピッカリ千両と呼ばれる活気を呈し、紙漉戸数も近在あわせて800戸にも及ぶ盛況をみせ、この地方の有力な地場産業でした。
 しかし、戦後の生活様式の変化や洋紙などに押され、さらには経済構造の激変から若い後継者が次々に他産業に流出し、その存続さえ危ぶまれる事態となってきました。
 こうした中で東秩父村では、手漉き和紙を地域の誇りとして考え、由緒ある武蔵武士のふるさと、大河原氏館跡付近一帯を「和紙の里」と画し、伝統産業に新たなる光をあて、手漉き和紙の技術の伝承・後継者の育成に努め、併せて地域の活性化を図るため、昭和60年度から和紙の里整備事業に着手しました。
 和紙の里は、古くから地域に伝わる木造建築技術によってつくられた8棟の和風の建物で構成されています。昔ながらの手漉き和紙の生産と紙漉体験ができる「和紙製造所」、貴重な資料を展示している「ふるさと文化伝習館」、江戸末期の紙漉農家を移築復元した「細川紙紙漉家屋」、研修や集会などに広く利用できる「研修会館」、茶室を併設した「ギャラリー」などがあり、なつかしい伝統文化に触れることができます。
 また、おいしい手打ちそば・うどんを味わうことができる食事処「すきふね」や、そば・うどんの手打ち体験ができる「体験工房」もあります。さらに、滝や池などを配した日本庭園や芝生広場があり、隣接した彫刻の森には、未来へ発展する願いをこめた大小の野外彫刻や展望台があり、すがすがしい空気を吸いながらのんびりと散策を楽しむことができます。
 職員全員が、和紙職人・そば打ち職人として、この歴史と自然を満喫していただけるようがんばっております。
 皆様のお越しをお待ちしております。